プレライズ会計事務所|スモールビジネスの会計・税金・財務をサポート 東京・池袋の公認会計士・税理士事務所
プレライズ会計事務所
TEL:03-6887-1039
10:00〜17:00(月〜金)

【相続】民法(相続法)改正 配偶者居住権とは

平成30年7月に民法(相続法)が大きく改正され、配偶者の権利を守る制度として「配偶者居住権」が創設されました。

相続法は、1980年(昭和55年)に改正されて以降大きな改正は行われていませんでしたが、高齢化の進展など社会環境の変化に対応するため、約40年ぶりに大きな見直しが行われたことになります。

 

配偶者居住権とは

夫婦二人で住んでいた自宅が、夫が亡くなったことにより妻以外の人が相続すると、妻は住む家を失ってしまいます。

配偶者居住権は、そんな妻の居住権を守る制度として設けられました。

相続開始時に、配偶者が被相続人が所有する建物に住んでいた場合、終身または一定期間その建物を無償で使用することができる権利です。

 

法律的に言うと、建物の権利を「負担付きの所有権」と「配偶者居住権」に分け、遺産分割時に、配偶者が「配偶者居住権」を取得し、配偶者以外の相続人が「負担付きの所有権」を取得することができるようにしたものです。

 

現行制度では・・・

配偶者居住権があると・・・

出所:法務省「配偶者居住権について」より抜粋

 

配偶者居住権は、引き続き自宅に住み続けることができる権利ですが、完全な所有権ではないので、売却や賃貸などはできませんその分、評価額は低くなります。

ですので、配偶者はこれまで住んでいた自宅に住み続けながら、預貯金などの他の財産もより多く取得できるようになり、配偶者のその後の生活の安定を図ることができます。

この制度には、「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」の2種類があります。

 

配偶者短期居住権

配偶者短期居住権は、遺産分割が終了するまでの期間についての居住権(住宅のうち居住部分)を確保する権利です。

権利を譲渡することはできません。

この権利は、遺言書等に記載しておく必要はなく無償で住んでいた場合には相続開始とともに当然に発生します。

遺産分割協議では考慮されず配偶者の相続財産の取り分にも影響しません。

 

配偶者は次のいずれか遅い日まで居住することができます。

  • 遺産分割により居住建物の取得者が確定した日
  • 相続開始から6ヶ月を経過する日

 

配偶者居住権

配偶者居住権は、居住建物を終身または一定期間、無償で使用・収益できる権利です。

店舗等、居住部分以外も含む受託全部に対して権利が発生し、登記をすることで第三者に対抗することができます。

また、評価の対象となり、遺産分割で考慮されることとなりますので、配偶者の相続財産の取り分に影響します。

なお、配偶者短期居住権と同様、権利を譲渡することはできません。

 

配偶者短期居住権とは異なり、相続開始とともに当然に発生する権利ではなく、次のいずれかの場合に取得することとなります。

  • 遺産分割において配偶者が配偶者居住権を取得した場合
  • 配偶者に配偶者居住権が遺贈された場合
  • 被相続人と配偶者との間に配偶者に対して配偶者居住権を取得させる死因贈与契約がある場合

 

 

配偶者居住権の評価

配偶者居住権は、建物・土地それぞれ評価を行います。

 

建物の評価方法

配偶者居住権の評価額(建物)= 建物の相続税評価額 – 配偶者居住権が設定された所有権の金額((建物の相続税評価額 × ((残存耐用年数-配偶者居住権の存続年数)÷残存耐用年数))× 存続年数に応じた民法の法定複利による複利現価率))

 

土地の評価方法

配偶者居住権の評価額(土地)= 土地の相続税評価額 – 配偶者居住権が設定された所有権の金額(土地の相続税評価額 × 存続年数に応じた民法の法定複利による複利現価率)

 

ポイントは、配偶者居住権の評価を計算するためにはその他の権利を先に計算する必要があることです。

 

出所:法務省「配偶者居住権について」より抜粋

 

【注意事項】会計・税金のコラムについて

【免責事項】

ブログ記事を参考にしたことによるいかなる不利益等も当事務所は一切の責任を負いません。

また、記事は同業専門家に向けて書いているわけではなく一般の方に向けて書いているものです。

記事内容の正確性については細心の注意を払っておりますが、専門用語を多用するのではなく、より理解しやすいよう平易な表現にて記事を書くことを心がけています。そのため、一部正確性に欠ける部分や曖昧な表現がある場合があります。

 

【ブログ記事に関するご質問について】

当事務所のブログ「会計・税金のコラム」について、当事務所との間にご契約を頂いていない方、またはご契約の見込のない方からの内容に関するご質問には一切回答致しません

これは、業務多忙につき無料相談の機会を一切設けていない当事務所として、できる範囲にて無料の情報提供を行わせて頂こうという趣旨に基づき記事を掲載しているためです。コメント欄を設けていないのもそのためです。

読者の方におかれましては、何卒ご理解頂きますようお願い致します。