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【相続・所得税】みなし譲渡課税がかからない方法とは

個人が法人に不動産等を遺贈(寄付)する場合には、みなし譲渡課税がかかります(みなし譲渡課税については別記事参照)。

 

 

みなし譲渡課税の一般特例制度

公益法人等(公益社団法人、公益財団法人、特定一般法人、その他の公益を目的とする事業を行う法人(例えば、社会福祉法人、学校法人、宗教法人やNPO法人など)(以下「公益法人等」といいます。)に対して、一定の要件を満たした不動産等の譲渡については、国税庁長官の承認を受けた場合にはみなし譲渡課税は非課税になります(租税特別措置法40条)。

この規定を適用するためには、以下の3要件をクリアする必要がありますが、非常にハードルが高い要件となっています。

簡単に言うと、受け取った不動産や株式を換金したり賃貸用にするとクリアできません。

 

公益増進要件 その寄付が教育または価額の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する
  • 公益目的事業の規模が一定以上
  • 公益の分配が特定の者に偏ることなく公平に与えられている
  • 公益目的活動による対価が事業の遂行上直接必要な経費と比較して過大でない
  • 法令に違反する事実等がない
事業共用要件 寄附財産を寄付があった日から2年を経過する日までの期間内に受贈法人公益目的事業の用に直接供する、または供する見込であること 寄付された財産そのものが公益目的事業の用に供されることが必要

⇒寄附財産が建物等の場合に、その賃貸収入を公益目的事業の用に供している場合は該当しない

⇒寄附財産が株式の場合にはその果実である配当金が毎年安定的に生じないものである場合には該当しない

不当減少要件 その寄付が寄付者またはその親族等の相続税、贈与税の負担を不当に減少する結果とならないと認められる 以下の要件を全て満たさないと不当減少要件に抵触する

  1. その法人の運営が適正である
  2. 関係者に特別の利益を与えない
  3. 残余財産等が国等に帰属する旨の定めがある
  4. 公益に違反する事実がない

上記は、一般特例といわれるものであり、自動承認(申請書類提出し一定期間経過すると自動的に国税庁長官の承認があること)はありません

 

 

みなし譲渡課税の特例制度

租税特別措置法40条によるみなし譲渡の非課税の承認を受けるためには、従来2〜3年かかるといわれており、寄付者に多大な負担がかかっていました。

ところが、2018年度の税制改正により一定の公益法人等(公益法人等のうち、国立大学法人等、公益社団法人、公益財団法人、学校法人、社会福祉法人及び認定NPO法人等(以下「承認特例対象法人」といいます。)への寄付については、申請書を提出してから1ヶ月以内(寄附財産が株式等である場合は3ヶ月以内)にその申請について国税庁長官の承認がなかったときは、承認があったものとみなす「承認特例」が設けられ、要件が大幅に緩和されました。

 

次の要件を全て満たす必要があります。

  1. 寄附をした人が寄附を受けた法人の役員等及び社員並びにこれらの人の親族等に該当しないこと
  2. 寄附財産について一定の基金若しくは基本金に組み入れる方法により管理されていること又は不可欠特定財産に係る必要な事項が定款で定められていること
  3. 寄附を受けた法人の理事会等において寄附の申出を受け入れること及び上記2の組み入れ又は不可欠特定財産とすることが決定されていること

 

要件①は、その法人に全く関係のない人からの寄付であれば寄付が租税回避に使われる可能性が低いと考えられることによります。

 

要件②に該当するためには、承認特例対象法人等が一定の基金を設置して行政庁の証明を受け、また監事監査を受けた基金明細書を事業年度終了後3ヶ月以内に行政庁に提出する必要があります。

 

要件③は、基金の管理や運用について審議する合議制の機関を設置することが条件となります。

 

 

特定資産買換特例

改正前は、非課税の承認を受けた後でも、寄付を受けた不動産や株式を売却すると非課税承認が取り消されることとなっていました。

しかし、税制改正により、非課税承認を受けた資産を基金に組み入れて管理し、その後買い換えた資産をその基金の中で管理する等の一定の要件を満たす場合には、引き続き非課税措置を受けることができるようになりました。

 

例えば、基金に組み入れて公益目的に使っていた不動産が何らかの理由で使用できなくなった場合、株式等に買い換えてそれを基金内で運用管理することにより、非課税措置を継続することが可能となります。

 

ただし、収益用の不動産のように公益目的事業に使う用途がまったくない不動産であれば、基金に組み入れることはできないことはもちろんのこと、この非課税措置を利用することはできません。

 

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