事務所や社宅を借りる場合、敷金・保証金を支払うことが一般的です。特に、起業・開業した当初は大きなキャッシュ負担となります。
そうした敷金・保証金に関する正しい処理を行えていない結果、上手に節税できていないケースをよく見ます。
経営者自身が申告されている場合に見落としやすい敷金・保証金を使った節税について紹介します。
敷金・保証金のうち、一部ないし全部が退去した際に返還されない契約となっているか、契約書を確認しましょう。
これは、いわゆる「敷金償却」、「敷引き」とされるものです。
敷金・保証金は賃料の6ヶ月から12ヶ月程度を敷金として支払うケースが多いのですが、例えば、月額賃料が30万円の事務所を契約期間5年で借りようとしたとします。敷金を6ヶ月分支払うよう求められた場合、180万円の支出となります。
ここで契約書に「敷金は2分の1を償却」との条件が明示された場合、180万円の2分の1、つまり90万円は戻ってこないという意味になります。
この返還されない金額は、税法で定められた期間(5年以下)で償却することができます。つまり損金となるので、その分課税所得を圧縮でき、結果、節税となるのです。
上記の例では、90÷5年で1年間18万円を損金とすることができます。
なお、社宅の場合、敷金・保証金が20万円を超えないことがあるかと思います。20万円を超えない場合には一括で損金として処理できます。