プレライズ会計事務所|中小企業・非営利法人の会計・税金・資金調達・M&Aをサポート 東京・池袋の公認会計士・税理士事務所
プレライズ会計事務所
TEL:03-6887-1039
10:00〜17:00(月〜金)

インボイス制度とは

令和5年(2023)年10月1日から、適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)が導入されます。

制度開始後は、「適格請求書発行時業者」からの「適格請求書」等の保存をしなければ、買い手は、消費税の計算において、仕入税額控除を受けることができなくなります。

 

適格請求書とは

適格請求書とは、売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段として、次の事項が記載された請求書や納品書などの書類をいいます。

インボイスには次の事項を記載する必要があります。

 

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 課税資産の譲渡等を行った年月日
  3. 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合にはその旨)
  4. 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

 

請求書のイメージは次の通りとなります。

「出所:国税庁資料「適格請求書保存方式の概要」より抜粋」

 

 

適格請求書発行事業者登録制度

インボイスを発行できるのは、「適格請求書発行時業者」のみです。

適格請求書発行時業者となるためには、納税地の税務署に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、登録を受けなければなりません。

また、免税事業者の場合は、課税事業者となる(「消費税課税事業者選択届出書」の提出)必要があります(令和5年10月1日を含む課税期間中に登録を受けた場合を除く)。

 

登録申請書を受け付けた税務署では内容を審査し、適格請求書発行事業者登録簿に登録を行い、事業者に対して登録番号を通知します。

なお、この登録簿は国税庁のホームページにて公表されます。

登録までのスケジュールは次の通りです。

 

「出所:国税庁資料「適格請求書保存方式の概要」より抜粋」

 

 

売り手側の留意点:適格請求書発行時業者の義務等

売り手である適格請求書発行事業者には、次の義務が生じます。

  • 適格請求書の交付(取引の相手方である課税事業者の求めに応じて適格(簡易)請求書を交付)
  • 適格返還請求書の交付(返品や値引きを行った場合)
  • 修正した適格請求書の交付(交付した適格請求書に誤りがあった場合の訂正した適格請求書)
  • 適格請求書の写しの保存

「出所:国税庁資料「適格請求書保存方式の概要」より抜粋」

 

交付義務の免除

適格請求書を発行することが困難な以下の取引は、交付義務が免除されます。

  1. 公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の輸送(3万円未満のものに限る)
  2. 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食品等の譲渡(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限る)
  3. 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限る)
  4. 自動販売機・自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等(3万円未満のものに限る)
  5. 郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る)

 

 

買い手側の留意点:仕入税額控除の要件

買い手側は、仕入税額控除を受けるためには、原則として一定の事項を記載した帳簿及び請求書等の保存が必要となります。

保存期間は、課税期間の末日の翌日から2ヶ月を経過した日から7年間となります。

 

そして、インボイス制度導入後は、免税事業者や消費者など適格請求書発行事業者からの行った課税仕入に係る消費税額を控除することができなくなりますが、一定期間において、一定の要件の下での経過措置などが設けられています。

 

保存が必要となる請求書の範囲

  1. 売手が交付する適格請求書又は適格簡易請求書
  2. 買手が作成する仕入明細書等(適格請求書の記載事項が記載されており、相手方の確認を受けたものに限る)
  3. 卸売市場において委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の譲渡及び農業協同組合等が委託を受けて行う農林水産物の譲渡について、受託者から交付を受ける一定の書類
  4. 1〜3の書類に係る電磁的記録(電子データ)

 

帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合

適格請求書などの請求書等の交付を受けることが困難な以下の取引は、帳簿保存のみで仕入税額控除が認められます

  1. 適格請求書の発行が免除される取引(上記交付義務の免除を受ける1、4、5の取引)
  2. 適格請求書の記載事項(取引年月日を除く)を満たす入場券等が使用の際に回収される取引
  3. 古物営業、質屋又は宅地建物取引業を営む事業者が、適格請求書発行事業者でない者から、古物、質物又は建物を当該事業者の棚卸資産として取得する取引
  4. 適格請求書発行事業者でない者から、再生資源又は再生部品を棚卸資産として取得する取引
  5. 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当等に係る課税仕入

 

なお、現行制度においては、「3万円未満の課税仕入れ」「請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるとき」は、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除を受けることができましたが、インボイス制度導入後はこれらは適用不可となります。

 

 

税額計算方法

令和5年10月1日以降の売上税額及び仕入税額の計算は、①積上げ計算、又は②割戻計算を選択することができます。

①は、適格請求書に記載のある消費税額等を積み上げて計算する方法のことで、売上税額について積上げ計算を選択することができるのは、インボイスを適用する「適格請求書発行事業者」のみとなります。

②は、適用税率ごとの取引総額を割り戻して計算する方法をいいます。

 

「出所:国税庁資料「適格請求書保存方式の概要」より抜粋」

 

 

免税事業者等からの課税仕入に係る経過措置

インボイス制度開始後は、免税事業者や消費者など、適格請求書発行事業者以外からの課税仕入れは、原則として、仕入税額控除の適用を受けることができなくなります

ただし、制度開始後6年間は、免税事業者等からの課税仕入れも、一定割合について、仕入税額控除の適用を受けることができます。

「出所:国税庁資料「適格請求書保存方式の概要」より抜粋」

 

 

免税事業者の登録手続

免税事業者が適格請求書発行事業者となるための登録を受けるためには、以下の2つの書類を提出する必要があります。

  1. 登録申請書
  2. 課税事業者選択届出書

 

ただし、経過措置として、令和5年10月1日を含む課税期間中に登録を受ける場合には、登録申請書のみ提出すればよいこととなっています(以下、(1)参照)。

「出所:国税庁資料より抜粋」

 

 

 

ブログ記事に関する免責・注意事項

ブログ記事をご参考にしたことによって発生した不利益等について、当事務所は一切の責任を負いません。

なお、記事内容の正確性については細心の注意を払っておりますが、より理解しやすいよう平易な表現にて記事を書くことを心がけているため、一部正確性に欠ける部分や曖昧な表現がある場合があります。

また、当事務所のブログ記事に関するご質問には一切回答致しません。