平成31年度税制改正において、中小企業が行う災害への事前対策を強化することを目的として、防災・減災設備(ex.自家発電機、制震・免震装置等)を取得した場合には特別償却(20%)※を可能とする新しい制度が創設されました。
※特別償却とは、簡単に言うと、減価償却費を前倒しで計上できるものです
平成30年度は災害の多い年でありました。平成30年7月豪雨や台風19〜21号、北海道胆振東部地震による中小企業への被害は約5,000億円に上るとされています。実際に、以下のような被害が発生してしまいました。
こうした被害を教訓として、中小企業向けの設備投資減税制度を整備し、中小企業の防災・減災に対する事前対策を後押しするために創設されました。
防災や減災に関する計画を策定し、経済産業大臣の認定を受けた中小企業・小規模事業者が対象となります。
対象設備は、災害への事前対策を強化するために取得する防災・減災設備が対象となり、具体的には次の通りとなります。
特別償却額として税務上費用となる金額は、設備投資額(取得価額)×20%となります。
適用期限は、2021年(令和3年)3月31日までとなっています。
税制優遇措置を受けるためには、以下のとおり、防災や減災に関する計画を策定し、経済産業大臣の認定を受ける手続きが必要となります。
(出典:中小企業庁資料より)
日本は地震や台風など自然災害の多い国です。災害を未然に防ぐ、または災害からいち早く復旧できるかどうかは、会社の存続を左右します。
たとえば、サーバがダウンしないよう制震ラックを導入し、地震発生時においても最低限不可欠な電力を確保できるようサーバが最低限稼働できる非常用発電機を導入した結果、東日本大震災においてもサーバなどには影響が生じず、翌日以降被災状況の確認や災害復旧支援などを実施できた、という事例もあります。
事前の対策を行うことである程度の防災・減災は可能であるので、BCP(事業継続計画)と合わせて設備投資を検討しましょう。