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事業承継・M&Aを支援する「経営資源集約化税制」とは

経営資源集約化税制の概要

令和3年度税制改正により創設された、経営資源集約化税制が、2021年8月2日からスタートしました。

この制度は、中小企業M&A (合併 ・ 買収)における「買い手」が対象で、M&A後のリスクへの備えや設備投資・雇用確保を支援する優遇税制です。

 

具体的には、以下の3つの支援策が活用できるようになります。

  1. 中小企業事業再編投資損失準備金制度・・・M&A後に生じるかもしれない想定外の損失(簿外債務、偶発債務等)に対応できるよう、買収費用の一部を「中小企業事業再編投資損失準備金」として積み立て(損金算入)することができるもの
  2. 中小企業経営強化税制・・・M&A後の設備投資額の最大10%を法人税から控除可能とするもの
  3. 中小企業の所得拡大促進税制・・・M&A後の一定の要件のもとで 雇用を確保した場合、給与支給総額の25%を税額控除可能とするもの

 

出典: 財務省「令和3年度税制改正(令和3年3月)」

 

 

中小企業事業再編投資損失準備金制度

上記1について具体的には、M&Aに関する経営力向上計画の認定を受けた中小企業者が、株式譲渡によってM&Aを実施する場合(対象となるM&A取得価額が10億円以下)において、株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てると、その積立金額を損金算入できます。

なお、計画の認定期限は令和6年3月31日までとなっております。

積み立てた準備金は、据置期間終了後、原則として、5年間で均等額を取り崩して益金算入しなければなりません。

 

例えば、M&Aで株式を 1 億円で取得した株式を継続保有する場合、 株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てることが可能ですので、1億円の70%にあたる7,000万円を積立てることで、その事業年度に損金算入できます。

 

積み立てた7,000万円は、5年間の据置期間を経過した後、5年間で1,400万円 (7,000万円÷5年)ずつ均等に取り崩し、益金算入します。

なお、途中で実際に損失が発生した場合は先行して取り崩し、取得した株式等の全部又は一部を保有しなくなった場合もその経過した準備金残高の均等額を取り崩すこととなります。

 

経営力向上計画を申請する場合には、新設された「10. 事業承継等事前調査に関する事項」の欄に実施するDDの内容を記載し、「事業承継等事前調査チェックシート」を添付します。

 

 

出典: 中小企業庁「事業承継等事前調査チェックシートとは」

 

 

中小企業経営強化税制(D類型)

上記2について、これまでにも「経営強化税制A、B、C類型」 という同様の優遇税制がありましたが、M&Aに関連する設備投資を対象として、D 類型が追加となりました。

 

具体的には、認定を受けた計画に基づき、 一定の設備を取得や製作等した場合に、 即時償却又は取得価額の10%の税額控除 (資本金 3,000万円超の中小法人は7%) が選択適用ができます。

 

 

中小企業の所得拡大促進税制

上記3に関する説明となります。

所得拡大促進税制とは、賃上げ等を行った企業において、給与等支給額の増加額の一部を税額控除する制度です。

経営資源集約税制の一環として、同税制の適用要件がそれぞれ次のように緩和されました。

 

通常措置

⇒前年度比で給与等支給総額が1.5%以上 増加する場合は、 法人税 (個人事業主の場合は所得税) の確定申告の際に、確定申告書等に明細書を添付することで適用が可能です。特段の手続きを行う必要はありません。

 

上乗せ措置

⇒前年度比で給与等支給総額が2.5%以上増加する場合で上乗せ措置を利用する場合は、 適用年度の終了の日までに経営力向上計画の認定を受け、適用年度終了後税務申告までの間に「経営力向上が行われたことに関する報告書 (経営力向上報告書)」を作成し提出する必要があります。

 

出所:「経済産業省 中小企業向け所得拡大促進税制ご利用ガイドブック」より

 

こうした支援措置の活用には、 実施してしまってからでは施策が利用できない (事前に利用申請が必要) といった場合が多く、M&Aを進める際には、あらかじめこうした支援措置の内容とスケジュールを確認しておくことが重要となります。

 

 

 

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