NPO法人の活動を支援するためには、支援者から法人への寄付を促して、法人の財務状況を強化することが必要です。
そのための制度として、一定の要件を満たしたNPO法人を所轄庁が認定または条例により指定します。
メリットは次の通りです。
また、認定NPO法人へのルートは以下のとおりです。
NPOが「認定」を受けるためには、9つの要件を充たす必要があります。
パブリックサポートテストとは、NPO法人の活動がどれだけ多くの市民に支持されているかを計る基準です。
基準は、寄附金の額、寄附者の人数等です。
共益的な活動とは、活動の対象が会員等の一部の限定したメンバーのみとするような活動のことです。
実績判定期間における事業活動のうち、以下のような共益的活動の占める割合が50%未満である必要があります。
公益活動を行う法人として、組織が適正に運営されているか、不正経理を行っていないかどうかを確認する基準です。
宗教・政治活動や特定の個人・団体の利益を目的とした活動を行っていないかどうかを確認する基準です。
認定NPO法人は、一般のNPO法人以上に情報開示を徹底することが求められます。
下記の書類について閲覧の請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これをその事務所において閲覧させる必要があります。
所轄庁への事業報告書類等を提出期限内に適正に提出しなければなりません。
法令に違反する事実、偽りや不正の行為によって利益を得たあるいは得ようとした事実、その他公益に反するような事実があった場合、認定を受けることはできません。
認定を受けるためには、一定の活動実績が必要となります。
認定または特例認定の申請をした年度の初日において、NPO法人の設立日から1年を超える期間が経過している必要があります。つまり、少なくとも2事業年度を終えている必要があります。
欠格事由とは公の機関への許認可等の申請において認められない理由のことをいいます。認定NPO法人制度にも欠格事由が定められており、例えば、暴力団の統制下にある、税の滞納処分が執行されているなどが該当します。
税制優遇措置としては、個人がNPOに寄付した場合、法人がNPOに寄付した場合、相続人が相続財産をNPOに寄付した場合、およびNPO自身の税制優遇があります。
寄付パターン | 認定NPO法人 | 特例認定NPO法人 |
---|---|---|
個人→NPO | 最大50%の寄付金控除を受けることができる (所得税40%、住民税10%) (寄付金額−2,000円)×最大50% |
左記同様 |
法人→NPO | 損金算入限度額が拡大(一般+特別損金算入限度額)
<一般寄附金の損金算入限度額> <特別損金算入限度額> |
左記同様 |
相続人→NPO | 寄付した相続財産は相続税の課税対象外 | 適用なし |
NPO自身の 優遇措置 |
法人税法上の収益事業を行った場合みなし寄付金制度を利用できる
→収益事業から得た利益を特定非営利活動に係る事業の非収益事業に |
適用なし |
※特例認定NPO法人・・・設立後5年以内で、公益要件を除く組織運営要件を全て満たし特例認定を受けた法人(有効期間は3年で1回限り)
認定審査は、「書面審査」と「実地調査(現地確認)」の2段階で行われます。審査を行う所轄庁によって異なりますが、申請から認定までおおよそ6ヶ月程度かかります。
認定の手続きが円滑に進められるように、所轄庁では申請等に関する事前相談を行っています。
いきなり申請するのではなく、まずは窓口に赴き担当者に相談してみましょう。
認定の基準や認定を受けることのメリット、デメリットを確認することができ、また、申請時に必要な資料作成事務を効率的に行うことができます。
また、申請後の審査の円滑化・迅速化という効果も期待できます。
上述の通り、認定を受けるためには申請書を提出した日を含む事業年度の初日において、その設立の日以後1年を超える期間が経過していることが基準とされていますので注意しましょう。
申請時に窓口に提出する書類は原則として以下のとおりです。所轄庁によって書類のフォーマットが異なる場合がありますので確認しましょう。
事前チェックシート | まずはこれを作成する |
認定申請書 | 認定NPO法人として認定を受ける法人の情報、パブリックサポートテストをどの基準でクリアするか等を記載 |
添付書類一覧(兼チェック表) | 添付資料の一覧表書式でありチェックシートを兼ねている |
寄附者名簿 | 実績判定期間中の事業年度ごとに、「寄付者の氏名又は名称」「寄付金額」「受領年月日」等を記載 |
認定の有効期間は、所轄庁による認定の日から起算して5年となっています。
認定の有効期間の満了後、引き続き認定NPO法人として活動を行おうとする認定NPO法人は、有効期間満了日の6〜3か月前までの間に、所轄庁の条例で定めるところにより、有効期間の更新申請書を提出し、有効期間の更新を受けなければなりません。
また、特例認定の有効期間は所轄庁による特例認定の日から起算して3年です。
特例認定については、有効期間が経過後失効します。更新はできません。
特例認定の有効期間中または有効期間経過後に認定NPO法人としての認定を受けたい場合は、認定申請を行う必要があります。