第29回農業経営アドバイザー試験に合格しました。
日本政策金融公庫のニュースリリースによると、今回の農業経営アドバイザー研修・試験の受験者数は402名で、税理士・公認会計士34名、地方銀行などの金融機関職員50名、信連、農協職員71名、公庫職員16名、その他34名の計205名が合格(合格率51.0%)したそうです。
今回の合格者を加えると、全国の農業経営アドバイザー合格者の総数は5,253名となり、その内訳は、税理士・公認会計士1,101名、金融機関職員1,633名、信連、農協職員1,390名、公庫職員381名、その他748名とのことです。
今後の日本の農業を盛り上げるため、農業経営でどうしたらよいかお困りの農家の方に対して、専門家としてお役に立つアドバイスを行っていきたいと思います。
試験は年2回で、筆記試験と、それに続く面接試験があり、これに合格することで「農業経営アドバイザー」となります。
税理士、公認会計士の受験費用が異なるのは、一部科目が免除のためです。
日本政策金融公庫または日本プロ農業総合支援機構のホームページに掲載されますが、指定のテキストを事前に購入する必要があります。
購入代金は約9,000円だったと思います。
4日間(税理士、公認会計士は2日間)の研修があり、最終日に筆記試験があります。
つまり、月曜日から金曜日まで5日間拘束されます。
会場は東京都府中市にあるセミナーハウス「クロス・ウェーブ府中」ところでした。(最寄駅:JR武蔵野線北府中駅)
スケジュールは以下のとおりです。
筆記試験自体はさほど難しくはなく、しっかり復習をしておけばクリアできると思います。ただし、「しっかり」復習することが必要で、油断すると落とすと思います。
暗記量はそれほど多くないのですが、研修を受けてから筆記試験まで間隔が無く、復習の時間を取るのが大変だったですね。
また、農業マーケティングのレポートもしっかりと講義を聴き、自分なりの回答を論理的・客観的に考えないとダメです。何かのコピペのようなレポートは合格点をあげないと講師の方もおっしゃっていました。
提出期限は研修後1週間程度ですが、あまり時間的猶予がなかったところもキツいと感じました。
筆記試験合格者を対象として面接試験(グループ面接)があります。
場所は東京都千代田区大手町にある日本政策金融公庫本店です。
1グループ6〜8人の受験者に対して、面接官は2人。面接時間は40分くらいです。
私のグループは7人中5人がJA職員、1名が金融機関職員、税理士は私だけでした。
グループにより聞かれる内容は異なると思いますが、私が面接で聞かれた内容は以下のとおりです。
1は聞かれるであろう質問ですので、志望動機を簡潔にわかりやすく述べれば大丈夫でしょう。以下の質問に対する答えにも共通しますが、あまりクドクドと答えない方が良いと思います。
2以降はそのときにならないとわかりません。端から順に回答していくのですが、自分の順番が最後の方だと、前の人の回答をある程度参考にすることもできます。
私は7人中、最後の席だったので、2と4は前の方の回答を参考にできましたが、3は回答の順番が逆になり、私が最初に回答することとなったので、考えがまとまらないうちに回答することとなったので焦りました。
この面接試験は落とす試験ではなく、アドバイザーとして受け答えがきちんとできるかを見る試験だと思います。少々疑問に思われるような回答をしたとしても、大丈夫じゃないかと感じました。実際、私は3の質問でやや頓珍漢な回答をしたと思いますが、合格しましたし。。
ともかく、質問に対する答えを簡潔明瞭にしつつも、自分の考えや思いをハッキリと述べる事ができれば良いと思います。
農業というと、「儲からない」「仕事がきつい」「収入が安定しない」というイメージがあるかもしれません。
しかしそれは、これまでの日本が、稲作中心の中、農産物輸出に力を入れず、国内市場の米価を守るための減反政策や補助金に頼った農政を行ってきた結果です。米農家を中心として、JAに依存した農業をしてきたことにより、農家自身が自主独立した農業経営を行ってこなかった結果です。
本来の農業経営とは、マーケティングを行って市場ニーズを的確に掴み、ニーズに基づく農産物を生産し、自ら販路を確保して利益を計上することです。
六次化として、農産物そのものを販売するだけではなく、加工してより付加価値を高めて売ることや、観光農園などのサービス提供と組み合わせたビジネス展開もあるでしょう。また、より生産コストを下げるため、自動運転のトラクターやドローン、ITによる生産管理システムなどの活用を進めることも必要でしょう。
何も特別なことではありません。世間一般の営利企業が行っていることを、農業経営において行うべきだと言うことです。
ですが、現実には残念ながらそうした経営努力を行っている農家はまだままだ少数派です。
ただ、逆に言えば、農業に経営の発送を取り入れ実践する農家が増えれば、必ず日本の農業は活性化し、国を代表する産業となるポテンシャルを秘めていると私は思います。
少子高齢化や人手不足など課題は多いですが、日本の農業を元気にするため、農業経営に関する頼れるアドバイザーとして、自分の知識・経験を活かしたいと思います。